年末からよく風邪をひいたり気管支炎になったりしていたので肺炎になると死んでしまうかもしれないじいちゃんにうつったら困るからとなかなか会いに行けずにいたけれど、今日昼ごはんを食べに出た帰りに家の前を通りがかったので少し迷って久しぶりに会いに行くことにした。

ばあちゃんが扉を開けるなりじいちゃんの具合が悪いのよ、と言うのでどきりとした。恐る恐る近づいた介護ベッドに横たわるじいちゃんの棒きれのように細くなった脚を見て、わたしは会いにくるのが怖かったんだと気づいた。体調や忙しさのせいにしていたつもりだったけれど、本当は違った。やせ細った脚は何枚もの毛布にくるまれてその頼りなさを強調していた。

こんなあたたかな春の日にこんな風に絶望するなんて小説みたいだと思うけれど現実だ。

わたしのすべてを、と言えるくらいたくさんのものは持っていないけれど、まだまだあげられるものはあると思うからがんばらないとな。