僕はもう大人だから願いごとは僕で始末をつけるのさ

やっと見慣れてきた街を、たくさんの後悔や不安に区切りをつけるように歩く。これからも楽しく生きていけそうな気なんていくらでもするのに、今あるものを手放すことはこんなにも怖い。手放したものはもう帰ってこない。あとからいくら欲しがっても。宇宙に散り散りになってきらめいて遠すぎてもう愛せない。死んだ星が放つ光のように、生きているあなたにはもう会えない。悲しい。でも光が見えたその瞬間に慈しむ気持ちは本物であってほしい。そういうことを願いながら私は私の願いごとに始末をつける。幼い自分の心を守るためにたくさんのものが必要だった日々をもうすこしだけ大切にしていたい。きっと楽しく生きていけるから。