フロイドと夜桜

一緒に同じお店に何度も行ったり、いつも同じ道を歩いたり、そんなふうに思い出を積み重ねてしまったら、いつか終わったときどう生きていけばいいかわからなくてもう泣きそうになる。終わる前提でこんな気持ちになるなんて意味がわからないしわたしだってずーっと我慢してきたけど、2人分の葛藤のぶん長い時間をかけて何度も会ってきたからもう無理だよ。

こんな気持ちや時間をいつかどう処理すればいいのか、途方もなくてもう泣きたい。

こんなに楽しく過ごしている場所も、いつかきっと辛くてもう行けなくなる場所だと思うと本当にさみしい。そんなことを考えながら一緒にいるなんておかしいよね。

でも、2人分の葛藤のぶん、私たちは。

って同じためらいだったからきっとちゃんと迎えに来てくれたなんて考えてしまうこんなあたしの愚かさを蓮の葉の上でお説教して。

公園にポツンと咲いてるしょぼい桜でもいっしょに見られてうれしいなんてねえねえあなたもそうなの?