きっとこの時間は残り少ないからと会いに行くたびに何度も気持ちを先延ばしにしてしまう。泣くのはもうちょっと先でもいいや、っていつかくる悲しみを先延ばしにし続けた報いがいつやってくるのかふとした瞬間に怖くなる。

好きすぎて後悔なんか砂一粒ほどもないのに後ろ暗いけど後ろ暗さと抱き合わせにでもしないとこの恋を抱きしめられなかったよわたしは。弱いよね。でもそれはあなたも同じでしょ。わたしも知ってるもんそれ。って薄紫のTシャツをそっと椅子にかけてあげる。

君とおしゃべり

コップに水を注いでもらうという行為たまらなく好きだしいろはすの1Lサイズの柔らかすぎるペットボトルに笑い合ってはじまるキスを思い出してはただぼんやり時間が過ぎた今日。

口にはしない素晴らしさや愛おしさが君にもあるといいなあって勝手な妄想。君とおしゃべり。

フロイドと夜桜

一緒に同じお店に何度も行ったり、いつも同じ道を歩いたり、そんなふうに思い出を積み重ねてしまったら、いつか終わったときどう生きていけばいいかわからなくてもう泣きそうになる。終わる前提でこんな気持ちになるなんて意味がわからないしわたしだってずーっと我慢してきたけど、2人分の葛藤のぶん長い時間をかけて何度も会ってきたからもう無理だよ。

こんな気持ちや時間をいつかどう処理すればいいのか、途方もなくてもう泣きたい。

こんなに楽しく過ごしている場所も、いつかきっと辛くてもう行けなくなる場所だと思うと本当にさみしい。そんなことを考えながら一緒にいるなんておかしいよね。

でも、2人分の葛藤のぶん、私たちは。

って同じためらいだったからきっとちゃんと迎えに来てくれたなんて考えてしまうこんなあたしの愚かさを蓮の葉の上でお説教して。

公園にポツンと咲いてるしょぼい桜でもいっしょに見られてうれしいなんてねえねえあなたもそうなの?

腕時計外して、服を脱いで、あなたがちょっと世界を捨てたとき、初めてわたしが甘えられる。それ以外はずっと別々のベッドで眠って別々のこと考えて生きてる。それでも二人のため世界はあるの。

期間限定の桃のパフェみたいに買い占めて食べて食べて食べまくって気づいたら消えてるみたいになりたすぎて泣いてる毎日。手放せない幸せの甘さに喜びながら泣くの馬鹿かもって思うけどやめられない。どうか同じこと考えてて〜って今夜も最後のデートを思い出して寝ます。意味なんてないと思い込もうとする愛ですべてを迎え撃つわよね。

新しい月が始まる前のひとときを一緒に過ごして、次の約束なんてなくて、今はとても幸せ。年度末は忙しいから嫌だ〜と笑いながら言う横顔を盗み見てはわたしは色んなことを考える。今日の待ち合わせひとつにだって色んなことを考えた。日々色んなことを考えているわたしの全部なんて伝わらなくていい。好きだけど届くな。

いつも目をそらすと嫌われた?と笑いながら聞いてくるのはそんなことないとわかっているからで、嫌いじゃないし嫌いだったらはっきり嫌い!って言う、と言うと、それは怖いな〜とおどけられてわたしは喜ぶ。嫌われることを怖がって、それでも触れるのが恋愛だ。触れなければ嫌われることもないかもしれないのに。いつか嫌われるくらいなら何も起こさない、がわたしのやり方だった。でももうそんな生き方には戻れないんだな〜。

なんかの花がなんかの季節を告げてあなたと待ち合わせ。なんとなく好きかもでうまくいく恋愛じゃなくて、最初から明確に好き、なんて言わないし届かなくていいけどわたしにとっては大切な話。いつか終わるとき話すね。

 

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ずっと好きとかはないかもしれないけど、ずっと一緒にいたいと思うこと自体が尊すぎて倒れそう。雪が降ったり眠れなかったりすると、こんなときそばにいられないことが不思議にさえ思う。言葉にしない気持ちはないのと同じかもしれないけど、何も言う必要はないと思ってしまうこの気持ちはなんだろう。同じことを考えているはずなんかないのに、毎日空の色がお揃いなだけで生きていけちゃう気がする。二人の共通点なんて、それくらいだ。